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今宵のサカナ (復活)

kozumon.exblog.jp

シアトルのレストラン レビューや旅先で食べた料理、小耳に挟んだ食べ物雑学など、とりあえず食に関するネタを中心に書いてます。最近はレストラン レビューがめっきり減ってしまいましたが、おうちで作れる簡単おいしいごはんの紹介をメインにしたいなと思っています。

バレンシア - グラナダ 夜行列車の悲劇

6 月28日

東北新幹線が開通する前は上野発青森行きの夜行列車に乗って実家に帰っていた。私が乗ったグラナダ行きの夜行列車は、その頃を思い出させた。ちょっと無理しても寝台にすればよかったのだ。一等車という名前にだまされた。車内の雰囲気がどう見ても「一等」じゃないぞ。思わず自分の切符を確認する。カウボーイ ハットを目深にかぶりビール缶を片手に千鳥足で通路をひょろひょろ歩いていた痩せ型の男が実は無賃乗車だったことが分かり、車掌に詰問されると知らないの一点張り(でもろれつが回ってない)。列車はこのせいで止まってしまった。警察を呼ぶぞ。おお、警察でも何でも呼んでみろってんだ、と言う感じのスペイン語の会話が続く。しまいには車掌が折れ、去っていった。あの男はきっとあのままグラナダまで乗り通したのだと思う。彼だけではない。ちょっと娼婦風な女性も実は無賃乗車で、彼女の場合はなんだかんだと言い訳していたが車掌を納得させることはもちろんできず、しかたなく食堂車に歩いていった。と思いきや、通路を隔てた私の隣はやたらとハイパーな老人(以下かっぱじじいと呼ぶ)。彼は9時間の走行中、ずっと通路に立って、ズボンのジッパーを半分あけ、講釈師のような抑揚で休みなくしゃべり続けていた。ときには近くの老人相手に、ときにはひとりごと(でも声がでかい)。私の乏しい理解力でも、彼がいかにつまらない話をしているかは容易に分かった。おそらく、「ああ、今4時20分やね。前の駅を3時30分に発ったということはあと8分ほどで次の駅ということになりましょうか。」みたいなことを延々と。私の隣に座っている中年の女性は「うるさいわね~」とぶつぶつ。と思ったら彼女はボトルの水を床にこぼしてしまい、私のバックパックはびしょぬれになるし。じじいの声は呪文のように耳に入ってきて全然眠れない。そのうちかっぱじじいの首を絞めたい衝動にかられ必死に抑える。がまんできなくなり、席を立ち残りの1時間を車両の外で立って行くことにした。ほっ。かっぱじじいの声はもう聞こえない。と思った瞬間、何とかっぱじじいがスーツケースを引きずって車両から出てきた!そして私の隣に立ったのだ。悪夢。頼む。頼むからこのじじいをどっかやってくれ~。泣きそうになりながら、じじいに話しかけられないようにひたすら窓の外に神経を集中させてグラナダ到着を待ったのだった。

6月29日

ふらふらになりながら降り立ったグラナダ。

グラナダの街(アルハンブラ宮殿から撮影)
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今日の宿泊先はネットで見つけた安宿 Hostal Penelope
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広場から奥まったところにあるので、スーツ ケースを引きずって歩くのにちょっと不安があったけど、そんなに苦にならなかった。しかもスタッフは全員英語が話せてほっとする。ホスタルのある路地にはタパス バーがひしめいている。やっほー。さあ、ちょっと仮眠してからいよいよアルハンブラ宮殿だ。
by seattleokami | 2005-10-25 14:34 | スペイン/ポルトガル

by seattleokami